地獄の始まり
「なぜ統合失調症になってしまったのか?」については、長くなるので後日にしようと思う。
とにかく初診時、私はボロボロだったのだ。
実は母が精神病で、その影響から父は精神科が嫌いになった。
「あんなところに行っても薬漬けにされるだけだ。あやな(私のこと)は行くなよ」そう言われていた。
自分が少しずつおかしくなってきているのは気づいていたが、私の中で父の言うことは絶対に近い影響力があったため通院することはできなかった。
常に監視されている感じがある、仕事中に涙が出てくる、胸が詰まるような苦しみがある、とにかく仕事ができる状況じゃなくなったことを上司に告げ、急遽休みをもらった。
家に帰った私は、両親に泣きながら精神科に行くと伝えた。11月のことだ。
母に電話してもらったところ、母の通院先の病院で2日後に初診予約が取れるとのこと。
(精神科は初診に予約が必要なのだ)
初診当日、私は彼氏にもらったリラックマとコリラックマのぬいぐるみを抱え、泣きながら電車に乗った。
もう周りの目を気にする余裕なんてなかった。
「なんでそんなに泣くの」と母は困ったように苦笑いしていた。
病院に着き、問診票に「頭のフタを取ってください」と書いた。
そのときの私は、脳の神経回路にフタができてしまったため、うまく会話ができなくなっているのだと思い込んでいたのだ。
診察室に入り、先生が優しく聞いてくれるのを良いことにベラベラと一気にまくしたてた。
「お願いします!フタを取ってください!またお仕事できるようにしてください!!」
私は仕事ができることを第一にお願いしていた。
それだけ、私にとって仕事とは重要なことだったのだ。
私は”うつ状態”と診断されたようだ。
(…というのも、患者には病名は告げられない場合が多いため)
話を聞いてもらったことでスッキリし、薬をもらった安心感からまた働くことができた。
しかし、私に合わない薬はなんの恩恵もあたえてくれなかった。